店員「いらっしゃいました~」
お客「なんで、過去形なんだよ!」
店員「いらっしゃいますでしょう~」
お客「未来すぎるよ!現在風に言え!」
店員「いらっしゃってんじゃん、ちょーヤベ~」
お客「誰が今風のノリでいえと言った!
いいからレジ打てよ!」
店員「バットが無いんですよね~」
お客「だれがレジでホームランを打てといった!
商品を計算しろと言っているのだ!」
店員「やれやれ、ワガママなお客さんだ…」
お客「普通だろうがよ!」
ピッ・ピッ・ピッ・ピッ
店員「コレ、あっためますか~?」
お客「週刊少年マガジンを暖めて、何が得られるんだ?」
店員「『はじめの一歩の』展開が、よりアツくなるかもしれませんよ」
お客「嘘つけ!」
店員「以上合計で、68万円になります」
お客「なんで、そんなに高くなるんだよ!」
店員「小学生の時、たくさん牛乳を飲みましたから」
お客「お前の身長の話じゃないよ!」
店員「ああ、金額の話ですね、POSシステムの故障みたいですね、
いいじゃないですか、私がミスったわけじゃないですし」
お客「よくないよ!」
店員「なんなら、ナイショで2割引してもいいですよ!」
お客「焼け石に水だよ!2割引しても、54万4千円じゃないか」
店員「やれやれお金に細かい人ですね」
お客「そういう問題じゃないだろ!ちゃんと計算しろよ!」
店員「そういうことはPOSシステムに言って下さいよ」
お客「何だよ、そのPOSシステムっていうのは?」
店員「え?このバーコードで『ピッ』ってやって計算するレジの事ですよ」
店長「ちょっと待てい!」
店員「あっ、店長、お疲れさまです」
店長「POSシステムっていうのは、それだけじゃ無いんだぞ!」
お客「アンタが店長か、ちょうど良いところに来た、なんとかしてくれ
これじゃ不法請求だよ」
店長「そんなことより、お客さん、聞いて下さいよ、POSシステムは
バーコードを『ピッ』ってするレジの事だけじゃないんですよ」
お客「そんな事は聞いちゃいないよ」
店長「POSシステムって言うのは、店舗で商品を販売するごとに商品の
販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料と
して用いるシステムのことなんですよ」
お客「だから、そんなことはどうでもいいんだよ」
店長「お客さん!そんな、クサイものには蓋をする的な姿勢は良くありません」
お客「どんな姿勢だよ!」
店長「POSシステムの導入で、緻密な在庫・受発注管理ができるようになる
ほか、複数の店舗の販売動向を比較したり、天候と売り上げを重ね合わ
せて傾向をつかむなど、他のデータと連携した分析・活用が容易になる
というメリットがあるんですよ!」
店員「店長、スゴイっす!カッコイイなあ」
お客「お前がノるなよ!」
店長「POSシステムは、マーケティング材料を収集する、システムとして
特にフランチャイズチェーンなどで今や無くてはならないコンピュータ
システムになっているんですよ。」
店員「店長、今のアンタは輝いているよッスよ!」
お客「単にハゲてるだけだろうがよ!」
店長「所でお客さん、知っていますか?」
お客「知らねえよ!」
店長「コンビニでレジを打つときは、金額を打つ前に、必ず店員はお客さんの
性別と見た目の概算年代を打ち込んでいるんですよ」
お客「それがどうかしたのかよ?」
店長「あれは商品が、どの性別やどんな年代に好まれているかをPOSシステム
に教えているんですよ。この行為が、商品の研究開発や仕入れ数に生かし
ていく為の重要なデータ作成になるのです。」
お客「そんな事より、POSシステムを修理しろ!」
店長「ああ~スッキリした、じゃ、私はここで、坂下君、後はよろしく~」
店員「ハイっ!お疲れさまでした~」
お客「コラー待て~、コラ店員お前も止めろ」
店員「わかりました!ヤメテください、お客さん」
お客「俺を止めてどうするんだよ!店長を呼べ」
店員「店長は重要な昼寝中です」
お客「昼寝に重要もクソもあるか~」
店員「お客さん、落ち着いて、さっきの請求は間違いです、ちゃんと
手で打ち直しますよ」
お客「わかった、わかったから羽交い締めにするのはやめてくれ
初めからそうやって対応してくれればいいんだよ」
店員「お客さん、先ほどは失礼しました、お値段の方が680円になります」
お客「ホッ、なんか落ち着いたら、お腹が減ってきた、あと『からあげくん』も
追加してくれる?」
店員「わかりました、はいっ、どうぞ」
お客「違う、誰がおでんの『ちくわぶ』を単体で寄越せと言った!」
店員「え?違うんですか、じゃあコレですね、はいっ、どうぞ」
お客「バカヤロウ!それは『肉まん』だろうがよ」
店員「残念でした『ピザまん』でした。クスクス」
お客「ゴルァ、テメー、おちょくってんのか」
店員「そんな、日本酒を飲む為の容器を食したりしませんよ」
お客「それは『おちょこ喰う』だろうが、世界中の誰が『テメー、おちょこ
喰ってんのか』なんて発言をするんだよ」
店員「たった今、お客様が発言されましたが…」
お客「ウキー、うるさ~い。ハアハア…
もういい、『からあげくん』はあきらめる」
店員「ダメですよ、お客さん、自分の夢をあきらめちゃ」
お客「お前のせいなんだよ!
もういい、このレジの横にあるお菓子で我慢する、
この『月餅』も追加してくれ」
店員「ああ、『つきもち』ですか」
お客「『げっぺい』だよ!」
店員「お客さん、ラード入りのお菓子が好きなんですね」
お客「『月餅』にラードが入っているワケないだろ!」
店員「あれっ、『月餅』にはラードが入っているんですよ、知らなかったんですか?」
店長「でかした!坂下君、よくぞ、そんな豆知識を身につけたな!」
店員「あっ!店長、聞いていらしたんですか!」
店長「ああ、全て聞かせてもらったよ、私は今モーレツに感動しているっ!
坂下君、商品知識を勉強し、よくぞここまで成長した!免許皆伝だ」
お客「何の免許だよ…」
店員「店長!」
店長「坂下君!さあ、私のムネに飛び込んでくるがいいさ」
店員「てんちょ~」
店長「はっはっは~坂下君!僕を捕まえてごら~ん」
店員「はっはっは~何で逃げるんですか~てんちょ~」
店長「坂下君!夕日に向かって競争だ~」
お客「あのう…おい…ドコ行くんだよ」