迷いパケット
「あのう、オラ、『すぎエモンのITコラム』ったらトコに行きたいん
ですけど、グーグルさんにググっと聞いたらアドレスは
http://sugiemon.exblog.jp/って言われたんですよ」
ルータ
「んなこと言われても、アタシにわかるわけないじゃん
ここはTCP/IPの世界なんだから行き先はIPアドレスで
言って頂戴!」
迷いパケット
「そんだら事言われても、オラ困っちまうだ」
ルータ
「ああもう、URLがわかっていて、IPアドレスがわからないのなら
DNSサーバに聞けばいいでしょうが!」
迷いパケット
「ああ、そっか、所でDNSサーバって、なんだべさ?」
ルータ
「あんたパケットのくせにそんなことも知らないの?
DNSはインターネットの根幹の技術よ!」
迷いパケット
「そんなこといわれても、知らないモノは知らないんだす」
ルータ
「DNSはドメイン名とIPアドレスの対応システムよ
ドメイン名というものを保持する分散型データベースの一種ね」
迷いパケット
「そんだらば、DNSサーバっていうのは、ドコにあるんでしょうか」
ルータ
「知らないわよ!」
迷いパケット
「え?」
ルータ
「知らないって言ってるのよ!アンタの出発してきたパソコンが
プロバイダと契約したときにプライマリDNSサーバと
セカンダリDNSサーバという名義でDNSサーバのIPアドレスを
登録しているハズでしょうが」
迷いパケット
「ああ、そっか、スマンだす」
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迷いパケット
「スンマセン、ここはDNSさんのお宅でしょうか?」
DNS
「こんなものは、いっか~ん!ガシャ~ン」
迷いパケット
「な、な、なにをやられているんだすか」
DNS
「おお、お客人か、済まぬな、どうしても納得のいく焼き物が作れんでな」
迷いパケット
「あの~、アナタ、DNSさんだすよね」
DNS
「いかにもワシがDNSじゃ」
迷いパケット
「ドメイン名からIPアドレスを調べてくれるという」
DNS
「ああ、ネームサービスか、確かにワシの仕事ではあるが、
あれは小遣い稼ぎの副業じゃ、本来のワシの職は、刀鍛冶じゃ」
迷いパケット
「あれ?焼き物じゃないんだすか?」
DNS
「ああ、それは趣味の一環じゃ」
迷いパケット
「多才なんだすな」
DNS
「そう褒めるな、あまり褒められるとまいっちんぐじゃ」
迷いパケット
「は、はあ、あのうオラにhttp://sugiemon.exblog.jp/のURLの事についてを
教えて頂きたいんダス」
DNS
「ホウ、してどのレコードを知りたいのじゃ」
迷いパケット
「へ?レコードって、33回転とか45回転とかのアレだすか?」
DNS
「バッキャモ~ン、違う違う、それは大きなみすていくじゃ
ワシがネームサービスで扱っておる情報は多彩じゃ
ドメイン名とIPアドレスの対応以外にも、色々な管理情報を持っておるのじゃ
ワシ(ネームサーバ)が持つ情報のことをリソースレコードという!
ちなみにリソースレコードは以下の形をしておる、心して記憶せよ
所有者(Owner) --- そのドメインの名前
名前(Name) 可変長 リソースレコードの名前
タイプ(Type) 16ビット リソースのタイプ
クラス(class) 16ビット クラス。通常は0x0001の値をとる
TTL 32ビット リソース レコードのキャッシュ時間(秒)
RD長(RDLength) 16ビット RDATAの長さ
RDATA 可変長 リソースの中身
これが、DNSの中身の実質的なフォーマットじゃ、
そして、リソースのタイプごとに様々なデータを扱うのじゃ
代表的なリソースのタイプだけでも以下の情報がある。
コード 名前 意味
1 A ホストのアドレス
2 NS そのドメインが管理するネームサーバ
5 CNAME ホストの別名(エイリアス)
6 SOA ゾーンの情報
12 PTR ポインタ。逆引きに使用する
15 MX そのドメインのメールサーバ
おぬしは、どの情報が欲しいのかな?」
迷いパケット
「あのう、IPアドレスだけでいいんダス」
DNS
「なんじゃ、A(アドレス)レコードだけでいいのか、つまらんのう」
迷いパケット
「Aレコードってなんなんだすか?」
DNS
「Aレコードはドメイン名とIPアドレスの対応を記述する
もっとも基本となるリソースレコードだ
他にも、MXレコードはメールサーバの場所を調べるときに使用し、
CNAMEレコードは同じIPアドレスで複数のURLを定義するときに
使用する。
PTRは、いつもとは逆にIPアドレスからドメイン名を調べたい(逆引き)
する時に使用する
更に、SOAレコードはゾーンの情報をプライマリDNSサーバとセカンダリ
DNSサーバでやり取りする時に使うのじゃ、更に…」
迷いパケット
「あのう、オラはホントにIPアドレスがわがればそれでいいんだす」
DNS
「つまらんヤツじゃ、そんな性根では、ワシの様な立派な山伏にはなれんぞ」
迷いパケット
「刀鍛冶が本職じゃなかったんダスか?」
DNS
「ああ、本職は刀鍛冶じゃが、真の姿は山伏じゃ」
迷いパケット
「ややこしいんダスね」
DNS
「と言うわけで、おぬし、ワシの弟子になれ!」
迷いパケット
「はい?」
DNS
「おお、即答で志願してくるとはらぶり~なヤツじゃ、早速
ホラ貝の修行の為に山籠もりじゃ、場所は192.168.187.9じゃ、行くぞ!」
迷いパケット
「待ってくんろ!なんか話がおかしくなってるだよ」
DNS
「おぬしも、すぐにあのホラ貝の音色にトキメキを憶えるようになる!」
迷いパケット
「そうだかね?」
DNS
「もう、めろめろになって足腰も立たなくなるぞ」
迷いパケット
「胸きゅんも感じるだすか?」
DNS
「ああ、間違いなく、おぬしもまいっちんぐじゃ」
迷いパケット
「じゃあ、オラ、立派なホラ貝になるだす」