息子「ねえ、父ちゃん、オイラ眠れないんだけど…」
親父「そうか、芋焼酎でも飲んで酔っぱらっちまえばいいじゃん」
息子「オイラは、まだ小学生だよ」
親父「そうか、じゃあ自分に酔え」
息子「無茶な事言わないでよ!オイラ河村隆一じゃないんだから、そう簡単に
自分には酔えないよ。
親父「じゃあどうすりゃいいんだ?」
息子「オイラが眠くなるまで、なんかお話してよ」
親父「面倒くせえなあ、じゃあ桃太郎の話でいいか」
息子「ありきたりすぎて、スペクタクルの欠片もないね、でもまあいいよ」
親父「寝床でスペクタクル溢れる話をしたら帰って眠れねえだろうがよ。
いいか、昔々、あるところにアシュラマンとサンシャインが居たんだ」
息子「父ちゃん!いきなりそんな展開じゃ収集が付かなくなっちゃうよ
お爺さんとお婆さんっていう展開にしておきなよ!」
親父「ああそうか?じゃあ、昔々、あるところにジイサンとバアサンがいたんだ」
息子「まともな展開だけど、それで?」
親父「ジイサンは山へしばかれに、バアサンは河へ選択にいったんだ」
息子「なんか、二人の行動が微妙におかしいよ?」
親父「ああ、ジイサンはSM趣味があってな、バアサンの目を盗んで、女王様に
しばかれに行ってたんだ、しかしバアサンはそんなジイサンの奇行を前々
から知っていてな、悩み果てた末、河へ身投げをするかどうかの、
命の選択に行ったんだよ」
息子「なるほど、そういうことか、しかし、イキナリ、ディープな展開だね。」
親父「しかし、バアサンはそこで巨大なモモと遭遇するわけだ」
息子「河の上流から流れてきたんだね」
親父「いいや、天空からメテオのように降り注いで来たんだ」
息子「父ちゃん、その展開もマズイよ、河の上流から流れてきた事にしようよ」
親父「ああ、わかったよ、モモは河の上流から流れてきた、
しかし黄河の流れはハンパじゃないからな、バアサンは
自分まで濁流に呑み込まれるというリスクがあった。」
息子「なるほど、モモを取るか、命を取るかだね」
親父「そこでバアサンは苦肉の策として、バールのようなものでモモをこじ開けた」
息子「イヤ、それ以前にどうやってモモを濁流の中から拾ったんだよ!」
親父「モモの中には、『QC7つ道具』がフルセットで入っていたんだ」
息子「なんだよそれは!しかも、思いっきり話とんでるじゃん」
親父「QCの7つ道具とは、品質管理(QC:クオリティコントロール)
において、管理活動を進めていくための統計的な手法として使用される
手法の事だ。」
息子「そんな事どうでもいいよ、なんでモモの中をバールでこじ開けたら
そんなものが入っているんだよ」
親父「大道具さんのミスなんだろうな、疲れていたんだよ」
息子「イヤだよ、そんな話の展開は!」
親父「でも、もう『QC7つ道具』が入っているって言っちまったもんは
しょうがないじゃん、とにかく入っていたんだよ。7つ子ちゃんだな」
息子「父ちゃん、あんたバカだろ?」
親父「うるさい!とにかく長男は『パレート図』なんだよ!
パレート図ってのは、項目の要因を棒グラフでまとめて大きい順に並べ
それと累積度数分布線(各要素のパーセンテージを次々に足し合わせてた線)
息子「コラー、なんだかよくわからないけど、手抜きしちゃダメじゃん」
親父「仕方ねえだろ、他のパレート図を勝手にパクってくる訳にも
いかないじゃん」
息子「自分で作ればいいじゃん」
親父「父ちゃんが、わざわざお前の為に、そこまでの労力を注ぐと思うか?」
息子「うう~」
要因(原因系)とその結果としての特性との関係を系統的にまとめた
図の事で、通称、魚の骨ともいわれる、品質の特性(結果)とその原因
(要因)を大骨、小骨で関連付けして整理していく事になる。
計量特性の度数分布のグラフ表示の一つで、測定値の存在する範囲を
いくつかの区間に分けた場合各区間を底辺とし、その区間に属する
測定値の度数に比例する面積をもつ長方形を並べた図の事になる。
【グラフ】は、データを図に表すことによって、データ全体の姿を
見たり、その量を比較したりし、変化の状態を明確にするもので。
【管理図】は連続した観測値もしくは群のある統計量の値を、
通常は時間順またはサンプル番号順に打点した、上側管理限界点線
及び/又は、下側管理限界線をもつ図のことだよ。
打点した値の片方の管理限界方向への傾向の検出を補助するために、
中心線が示されるんだ。
管理に必要な項目、図等があらかじめ印刷されており、テスト記録、
検査結果、作業点検記録等が、簡単なチェック・マーク付けで確認、
記録できるようになっている用紙の事さ。
2つの変数を横軸と縦軸にとり、測定値を打点して作る図の事で。
製造条件や素性が似たものをひとまとめにして、条件が違ったものと
区別してデータをとることなんだ。」
息子「父ちゃん、話が難しすぎて、眠くなっちゃうよ」
親父「寝かしつけるのが目的なんだから、願ったり叶ったりじゃん
父ちゃんが、更に眠くなるように『新QC7つ道具』を説明して
やるから、さっさと寝ちまいな」
息子「そんなやり方、詐欺だよ!」
親父「うるさい!【新QC7つ道具】ってのは以下の7つだ!
1. 親和図法
2. 連関図法
3. 系統図法
4. マトリックス図法
5. マトリックス・データ解析法
6. アロー・ダイヤグラム法
7. PDPC法
これとQC7つ道具とで、相互に補完しあってQC推進を行うのさ
どうだ、コレで寝ただろう」
息子「話は退屈なんだけど、なんだか裏切りにも近い理不尽さを感じて
眠れなかったよ」
親父「ああもう、うざってえなあ、じゃあどうすりゃいいんだよ!」
息子「話の流れをちゃんと完結させてよ!」
親父「仕方ねえなあ、モモから生まれた『QC7つ道具』は、
チュンサンに逢いに、スキー場に行ったんだ」
息子「それは冬のソナタじゃんよ、鬼ヶ島に鬼退治に行きなよ!」
親父「ハイハイ、細けえヤツだなあ、じゃあ『QC7つ道具』は
鬼ヶ島に鬼退治に行きました。しかしそこで、宿舎が家事になって
しまい、せっかくイソップがデザインしてくれたユニフォームは
灰になってしまいました。」
息子「それはスクールウォーズじゃんよ、大人しく鬼と戦いなよ!」
親父「へえへえ、鬼と戦う事になった『QC7つ道具』は、
午後より東南東の風、一時雨が降るでしょう。」
息子「なんで天気予報になるんだよ!、戦いの結末を延べなよ!」
親父「鬼と戦いを終えた『QC7つ道具』は、ピーピー
~ニュース速報~
○月×日の松浦市長選挙は、現職の熊本権太氏(無所属)が当選確実」
息子「なんで夜のおとぎ話でニュース速報が入ってくるんだよ!
しかも、全然知らないトコの選挙速報じゃんよ!
父ちゃんには、オイラを気持ちよく眠りにつかせようという
心意気がこれっぽっちもないのかよ」
親父「うるさいよ、とにかく『QC7つ道具』は、大量のブツを手に入れて
ジイサン、バアサンと幸せに過ごしたんだよ」
息子「ブツってなんだよ」
親父「宝物だよ!」
息子「宝物ってなんだよ」
親父「アシュラマンとサンシャインだよ!」
息子「キン消しかよ!」