【○月X日】
助手
博士
「IPアドレスってのは、なんのことじゃ?」
助手
「博士、とぼけないで下さいよ。IPアドレスというのは
インターネットを利用する端末に割り当てられる
住所(アドレス)のことじゃないですか、このIPアドレス
がもうすぐ無くなりそうなんです。」
博士
「ああ、そうか、じゃあ今から、井戸で汲んで来てくれ」
助手
「わかりました!さーて桶とツルベはどこかな?って違~う!
博士はIPアドレスは井戸水とは違います。確かに両方とも
限られた資源なのですが、IPv4アドレスは32bitであり、
利用可能なアドレス数は約43億個と世界人口にも及びません。
IPアドレスの利用数は増加の一途を辿っており、もうすぐ
枯渇するんです。」
博士
「困ったねえ、なんでそんな事になったんじゃ?」
助手
「現在インターネットで広く普及しており、インターネット
プロトコル標準であるIPv4(IPバージョン4)は
インターネットの初期に作られていて、時代遅れの技術に
なりつつあるんす、博士どうしたらいいでしょうか?」
博士
「仕方ないのう、IPv4(IPバージョン4)を進化させたIPv6」
(IPバージョン6)を導入する事にしよう」
助手
「おお、それで問題は解決するんですか?」
博士
「ああ、そうじゃ、IPv6では、IPアドレス長が128ビットに
拡張(IPv4は32ビット)されているからのう
IPv4のアドレス数:4,294,967,296 個
IPv6のアドレス数:340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456 個
と、IPv6では無限に近いアドレス数が使用可能になるんじゃよ。
砂粒にたとえたら、地球31万4000個分!とにかく膨大な数じゃな。
ちなみに、IPv4だと、たった子供用バケツ1杯分になってしまう。
想像ができないほどの違いがあるんじゃ。」
助手
「素晴らしいです、博士!私はもう涙で前が見えません」
博士
「驚くには、まだ早いぞ、IPv6では他にも、次世代通信に対応できる
様に、色々な改良点が施されているんじゃ。」
[特長1]
IPv6ではIPv4での懸案だったセキュリティ関係を改善する
IPsecが必須仕様となっている、だから高いセキュリティを持つVPNを構築する事も容易になるんだ。
[特長2]IPv6ではIPアドレス長が128ビットに拡張された為, 経路制御情報などをアドレスに含める事が可能となった。1対1のユニキャストの他, 1対多の通信であるマルチキャスト(1つの送信ノードから複数の受信ノードに同一内容のパケットを送信する場合に利用する技術)や, いくつかのインターフェイスの集合のうち最も近いインターフェイスへの通信であるエニーキャスト(特定グループ内の最適なホストとの通信)が, 最初から規格レベルでサポートされているんだ。その代わりと言っちゃ何だが、IPv4に実装されていて、負荷が高いと評判の悪かった、ネットワーク上のすべてのホストに対する通信であるブロードキャスト(すべてのノードに対して同時にデータを送信する方式)がなくなっているんじゃよ。
IPv6で、ブロードキャストがなくなるっていうか、マルチキャストに含まれているんですね。IPv4でも、考え方としてはブロードキャストはマルチキャストに含まれていると考えた方がすっきりします。
マルチキャスト→特定グループへ対する通信
ブロードキャスト→同一サブネットという特定グループに対する通信
なわけですから。
[特長3]IPv6では, 上位のISP(インターネット接続サービス提供事業者)が下位のISPやネットワークを収容するという階層構造によってアドレス構造が定義されているんじゃ。 このアドレス構造は, アドレス空間の大半をIPv6用語でTLA(Top Level Aggregator)という最上位ISPに割り当て, そこが更にNLAという下位ISPやユーザにアドレスを割り当てることになる。
[特長4]IPv6では,, インターネットに直接接続されないネットワークはサイトローカルアドレスを利用する。そして、将来インターネットに接続する場合には上位48ビットだけを変更するだけで済むように設計されており, 組織内のサブネット構造を変更せずともグローバルIPアドレスに移行できるのじゃ
ちなみにIPv6のIPアドレスはFEDC:BA98:7654:3210:FEDC:BA98:7654:3210のようにコロンで区切った8 つの16進数で表わす. これは元々128ビットの数値を16ビット毎に8個に分離し, それを16進の0000~FFFFで表記したもの. また, 8個の各パートで "0000" や "0800" のように頭に0が付く場合, その0を省略することができる. つまり "5400:800:0:0:0:0:0:0:1" のような書き方が可能である. また0が連続する場合は, 一回だけ "::" で略記することが可能. つまり先の例ならば "5400:800::1" のようにも記述できんだ。」
助手
「博士、素晴らしいです。これでIPアドレスの問題は解決しそうですね」
博士
「はっはは、大したモンじゃろう!ワシ」
【○月☆日】
助手
「博士、大変です。研究員が全員引き抜かれて離脱しそうです」
博士
「それはいかん、研究員全員にチロルチョコをプレゼントじゃ」
助手
「ショボすぎですよ!」
【○月△日】
助手
「博士、大変です。研究費が無くなりそうです」
博士
「じゃあ、銀行強盗にレッツゴーじゃ」
助手
「コラー博士!ちょっと待て!」
【○月□日】
助手
「博士、大変です。強盗未遂の件で、我が研究室は
信用を無くしそうです」
博士
「ふふふ、心配するな、こんな時の為に、密かに
私が開発していた薬がある。
見ろコレが『忘れ薬』じゃ」
助手
「博士、スゴイです。これを事件の関係者全員に飲ませれば」
博士
「さよう、誰もが、例の件はすっかり忘れてしまう…と」
助手
「でも、本当に効き目があるんですかね?」
博士
「うむ、仕方ない、ワシ自ら人体実験じゃ!ゴクッ!」
助手
「先生、なんてムチャな事を」
博士
「オオ~、効いた!効いてきたぞ!効果はバッチリじゃ!」
助手
「ほんとですか?じゃあ早速、この薬をたくさん作りましょう」
博士
「それが、この薬の作り方をスッカリ忘れてしもうたわい」
助手
「そこを忘れちゃ意味ないじゃん!
博士、ちゃんと調合方法を思い出して下さい!」
博士
「おう、頑張るぞ!所で、だれじゃ、君は?」
助手
「そこも忘れるのかよ!ダメじゃないですか博士!」
博士
「博士って誰じゃ?」
助手
「アンタだよ!」
博士
「アンタって何じゃ?」
助手
「ウキー!薬、効き過ぎ~」