店員「いらっしゃいませ~、レンタルショップDHCP商会へようこそ」
お客「こんな所に店なんてあったんだ…
ねえ、ここってレンタルショップなんですよね」
店員「左様でございます」
お客「何を貸してくれるんですか?」
店員「はい、当店ではIPアドレスのみをお貸しするサービスを
行っております。」
お客「それだけ?」
店員「はい、それだけです。」
お客「商品が一つだけでやっていけるの?」
店員「はい、連日パソコン様やサーバ様から多数のご注文を
頂いております」
お客「千差万別ってやつか…」
店員「それを言うなら千客万来ですよ」
お客「ああ、悪い悪い、漢字の五割方は合致しているから対した
問題じゃないよ。それにしても、
IPアドレスの貸し出しっている概念が理解できないんだけど?」
店員「はい、ではご説明させて頂きます。DHCPとは
ネットワーク管理者様に変わってIPアドレスを割り当てる
代行サービスを行います。IPアドレスは絶対に重複が許されない
ため、IPアドレスの割り当てはかなり神経を使う作業になって
しまいます。パソコンの数が何百台、何千台になってくると
とても管理者一人では管理・設定をしきれない状況に陥って
しまうわけです。そこで、DHCPサーバの機能を利用して
IPアドレスの割り当てを自動化する事によって、
一気にIPアドレスの割り振りが楽になります。」
お客「DHCPサーバってナニ?」
店員「DHCPを行うサーバの事です」
お客「そのまんまじゃん、それじゃ」
店員「割り当てるIPアドレスを管理し、実際に割り当て作業を
行うサーバの事ですよ」
お客「ああ、なるほど、やっとわかった
初めから、そう言ってクリリン…なんちゃって」
店員「今の一言は、聞かなかった事にしておきます」
お客「こら、そんな言い方したら、俺がスベったみたいじゃないか」
店員「みたいじゃなくて、実際にスベっておりましたので…
DHCPサーバからIPアドレスを割り当ててもらう
サービスの受益者の事をDHCPクライアントといいます。
DHCPクライアントの機能は、殆どのOSに標準搭載
されています」
お客「あんたのユーモアセンスは沸点が高いんだな」
店員「恐れ入ります」
お客「別にホメてないんだけどな」
店員「わかっております」
お客「アンタ結構イヤなやつだな」
店員「お褒めの言葉、ありがとうございます」
お客「誉めてないって!」
店員「わかっております」
お客「イマイチ話がかみ合わないな、じゃあDHCPサーバは
IPアドレスの割り当てを勝手にやってくれるんだろ、管理者は
ぼーっとしててもいいわけだ」
店員「DHCPは全てのことを自動的にやってくれるわけではありません
管理者が行うべき事もあります。管理者は、割り当てるアドレス
の範囲とアドレスのリース期限を決めておく必要があるんです。」
お客「完全自動じゃないのか」
店員「そうです、管理者は192.168.1.128~192.168.1.254の様な形で
IPアドレスの範囲をDHCPサーバに設定しておく必要があります
範囲を設定しておけば、あとはDHCPサーバが自動的に割り振って
くれるんです。さらに、管理者はIPアドレスのリース期限を決めて
おく必要もありますね」
お客「へえ~、じゃあ俺にもIPアドレスを貸してくれ!」
店員「無理です、お客様は人間であって、コンピュータではありませんから」
お客「ズコッ!なんじゃそりゃ~、おい桂三四師匠ばりのコケ方を
したから、立てないよ。ちょっと、肩を貸してくれ」
店員「無理です、当店ではIPアドレスのみしかお貸しできません」
お客「アホタレ、肩を貸すのはレンタルじゃないだろ!」
店員「当店ではショルダーレンタルという不正行為となります」
お客「なんでだよ、その傲慢きわまりない規則は!」
店員「フッ」
お客「あっ!いま鼻で笑いやがったな、ふざげんな、顔貸しな!表に出ろ!」
店員「無理です、当店ではIPアドレスのみしかお貸しできませんので
顔面をお貸しすることはできません」」
お客「顔を貸すのまでレンタル禁止事項かよ!」
店員「そうです、しかし、今日は特別サービスです。
私の顔を無料でお貸ししましょう」
お客「イヤ、『顔貸しな』っていうのはそういう意味じゃなくてね…」
店員「はい、どうぞ。無くさないで下さいね」
お客「ギャ~、顔が外れた~、お化け~」
店員「大げさな人ですねえ、今どき誰だって、顔の一つや二つ
外れますよ」
お客「違う、それは断じて違うぞ!アラレちゃんかお前は!
それに普通の人間は顔は一つしかないし、ハズれもしない!」
店員「しかし、アナタはさっきからギャグを外しっぱなしだったじゃ
ないですか」
お客「うるさ~い、それとこれとは別の問題だ」