ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「もしもし、エミポン?今からハマに行かな~い?」
タツヤ「はい?」
電話先「ヒマなんでしょ、ハマいこうよ」
タツヤ「あの~人違いだと思いますよ」
電話先「え?ゴメンナサ~イ、上沼恵美子かとおもって、
九十九里浜にさそっちゃった、間違いで~す、ガチャ」
タツヤ「色んな意味で、そっちかよ!」
ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「もしもし、ちゃんこ鍋30人前出前してくださ~い」
タツヤ「どう考えても、無理だろうがよ!」
電話先「あ、ゴメンなさい、友達が遊びに来るんで、出前を
頼もうと思ったら、間違えちゃいました、ガチャ」
タツヤ「どれだけ食いしん坊なんだよ!」
ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「ブツは、今日の夜11時、港の倉庫に持ってこい」
タツヤ「ヒ、ヒェ~相手が違うと思うんですけど~」
電話先「ああ、スマンな、仏具屋と間違えた、ガチャ」
タツヤ「そっちのブツかよ!」
ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「こんにちは、おたくの会社の『個人情報保護法』対策は
完了しましたか?」
タツヤ「なんだと?」
電話先「我が社が、どっぷりバックアップさせて頂きますよ」
タツヤ「日本語の表現がおかしいぞ!」
電話先「ああ、失礼しました、『個人情報保護法』が、
わかりやがらないのですね、それでは解説させて頂きます。
『個人情報保護法』とは個人の権利と利益を保護する為に、
個人情報を取得し取り扱っている事業者に対し、
様々な義務と対応を定めた法律でございます。
ちなみに2005年4月より全面施行が予定されています。」
タツヤ「オマエ…腹が立つけど、それ以前にとってもヘン」
電話先「そうでございますか、良かったですねえ」
タツヤ「お前の話だろうが!そもそも、ここは個人の自宅であって
どこかの企業じゃないぞ!間違い電話だ!」
電話先「まあ、おっしゃる意味がよくわかりません事よ、
『個人情報保護法』基本的には本人である個人の権利を
定める法律ではなく、企業が守らなければならない
義務を定め、それに違反した場合には行政機関が処分
を行なうという性格を持っているのですわよ。」
タツヤ「だから、知らねえよ!そんなこと」
電話先「まあ、頭がお悪くていらっしゃる…
ちなみに事業者は、この法律により、利用目的の特定および制限、
適切な取得、取得に際する利用目的の通知または公表、安全管理、
第三者提供の制限などの義務を果たさなければならず、違反する
と行政処分を下され、さらに主務大臣の命令に反した場合には
罰則が科せられることになりますわ。」
タツヤ「ああもう、鬱陶しい、要は繰り返される企業の『顧客情報流出』に
対抗する為に作成された法律なんだろ!」
電話先「その通りでございます。具体的には次のことが義務づけられ
命令に反したような場合には刑罰も用意されております。
・個人情報を収集する際には利用目的を明確にしなければならない。
・目的以外で利用する場合には、本人の同意を得ないといけない。
・個人情報を収集する際、利用目的を通知・公表しなければならない。
・情報が漏洩しないよう対策を講じ従業員だけでなく委託業者も
監督しなければならない。
・個人の同意を得ずに第三者に情報を提供してはならない。
・本人からの求めに応じ情報を開示しなければならない。
・公開された個人情報が事実と異なる場合、訂正や削除に応じなければならない。
・個人情報の取扱いに関する苦情に対し、適切・迅速に対処しなければならない。
・主務大臣の命令に違反した場合や、報告義務に違反した場合には罰則が科せられる。
主務大臣の命令に対する違反の場合 6月以下の懲役または30万円以下の罰金
報告義務違反の場合 30万円以下の罰金
おわかりになりましたか?」
タツヤ「ああよくわかったよ、所でこの電話番号は、どうやって知ったんだ?」
電話先「闇取引の顧客名簿から入手致しましてございます。」
タツヤ「だったら、お前に『個人情報の保護』を語る資格はないだろ!
2005年4月なったら6月以下の懲役または30万円以下の罰金だな
通報しておくから、会社名と担当者名とを教えて貰おうか」
電話先「し、失礼しました~、ガチャ」
タツヤ「なんだか今日はやたらと間違い電話が多いな…」
ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「こんにちは、あたしリカちゃんよ」
タツヤ「リカちゃん電話の方から電話をかけて来るな!」
ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「イヤね、奥さん、やっぱりお義母さんの気持ちも考えて
あげないとね…ハイ、いったんここでCMです」
タツヤ「おもいっきり生電話の方からも電話をかけて来るな!」
ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「じゃあ、明日…じゃなかった、来週の月曜日来てくれるかな?」
タツヤ「嫌とも~♪ってナニやらせるんじゃい!」
ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「金利手数料は、全てジャパ○ットが負担します!」
タツヤ「うるせー!またには代金ごと負担しろ!」
ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「ルールールルルー…ルールールルルー」
タツヤ「由紀さおりと安田祥子かよ!」
ルルル…ルルル…
タツヤ「はい、もしもし」
電話先「ボクは死にまっしぇ~ん!」
タツヤ「そんな事、知りまっしぇ~ん!」
ルルル…ルルル…
タツヤ「オイ、しつこいぞ!いい加減にしろ!」
電話先「そんな、タツヤさん…私の事キライなのね」
タツヤ「あ、ハルミちゃん、違うんだよ、誤解だ!」
電話先「もういいの、アナタの気持ちは十分わかったわ」
タツヤ「ちょっと待って、こ、これにはワケがあるんだよ」
電話先「ホントにもういいの、アナタとはもうお別れね」
タツヤ「そ、そんな事言わないでよ、話を聞いて!」
電話先「いいのよ…もう…確かにアナタの電話番号を
闇ルートに売った私も、悪かったのかもしれないわ」
タツヤ「お前が原因かよ!」