艦長
「よし、今だ!波動砲 発射せよ!」
五代
「艦長、ダメです。そのむやみに波動砲を撃ちたがる
クセはやめて下さい!」
艦長
「だまれ、艦長は私だ!私の判断で波動砲を選択したのだ
今一度命令する、波動砲 発射せよ!」
五代
「そんなものは、搭載されていません」
艦長
「だまれ、これは気分の問題だ、一応ちょっとぐらいは
調子をあわせよ」
五代
「艦長、遊んでいる場合じゃありませんよ、次のルータに到着します。」
艦長
「え、ルータってなんだ?移動呪文か?」
五代
「それはルーラです!いいですか 我々は、
ミクロ化したネットワークの世界で
IPパケットの中に入り込んで移動中なんです!
ルータと言うのは、その重要な中継地点じゃないですか」
艦長
「あ、儂それ知っておるぞ、『すぎエモンのITコラム』という
ブログで見たことがある、インターネットの駅みたいなヤツ
なんだろ!そうだろ!
よし、波動砲 発射~!」
五代
「艦長、波動砲は激しくダメです、却下です!」
いいですか、艦長、よく聞いて下さい。
ルータとは確かにインターネットの駅の様な存在ですが、
実は『空港』近い特性を持っています。
つまり、入ってきたIPパケットはルータによって
入国審査を受けるんです、この結果『未登録』のIPパケット
や怪しげなデータは、入国を拒否されてしまいます
これをパケットフィルタリングといいます
艦長の様なむちゃくちゃな人がいたら、
『こいつら壊れている』とルータに判定されて
破棄されてしまいますよ。」
艦長
「うんうん、わかったわかった、じゃあ、
取りあえず、波動砲、撃っていいかな?」
五代
「だ・か・ら…頭痛くなってきた
お~い、誰か艦長の暴走を止めてくれ。」
万能ネギ並に役に立つ万能ロボ、穴ライザーが登場し、
艦長を連行していく。
艦長
「はなせ!このポンコツロボット、私は波動砲を撃つんだ!」
ロボ
「カンチョウ、アナタハ、CPUニモンダイガアリマス」
艦長
「私にCPUなど無い~離してくれ~」
五代
「連れて行け!甲板掃除をさせておくんだ!
仕方ないひとだ、まったく…
さて、目的地に着くまでの間は、私が艦長代理だ
まず、目標の星、惑星イスカソダル方面へブロードキャスト通信
を行ない、当惑星の現在位置を教えてもらうんだ
シマ、宜しく頼むぞ!」
死魔
「わかりました、艦長代理!と言いたい所ですが、不可能です」
五代
「なぜだ!シマ」
死魔
「お忘れですか、ブロードキャスト(同報)通信とは
国内全ての星に向けて通信を行う事ですが
このブロードキャスト通信はルータを
越えておこなう事は出来ません。
つまり、ルータはネットワーク世界での『国境線』
の役割も果たすのです。国境を越えて通信を行う
場合は、ブロードキャストでは通信できません」
五代
「そうだった、なんて事だ、こうなったら
なんとしてでもルータを越えるしなかいな」
その時、艦橋のモニターに顔色の悪い中年男性の影像が映し出された。
デソラー
「フフフ、ヤマットの諸君」
五代
「はっ!デソラー、何故貴様がココに」
デソラー
「フフフ、貴様らの目指すルータは我々が占拠した、
よって、貴様らは永久にイスカソダルに
到着する事はできん、フフフ、大人しく引き返すのだな。」
五代
「なんということだ!これじゃ最寄りのルータに入港できん」
死魔
「ああ、もうおしまいだ」
艦長
「五代!こんな時こそ、波動砲だ!」
五代
「ちょっと艦長!甲板掃除はどうしたんですか?それに
波動砲は搭載されていないと言っているでしょう!」
艦長
「今、私が日曜大工で作ってきた」
五代
「なんですって!しかし、波動砲でルータを破壊したら、
我々の目的地が無くなってしまうじゃありませんか!」
艦長
「まて五代、おちつけ!IPネットワークの世界では、
途中のルータに障害が発生しても
ダイナミックルーティングにより自動的に経路が
再設定されるんだ。」
五代
「そういう問題ではありません!」
艦長
「というわけで、まだテストもしていないが
手作り波動砲 発射~!」
五代
「コラー!」
~この物語はフィクションだと思います~