ここは、夕焼け学園の体育館裏、今日も番長は
鉄下駄を履いて、子分のノブオと談笑中だ
番長「おい、ノブオ!『ウスブ』ってなんだ?」
ノブ「へ、なんですかね、それ」
番長「俺、最近パソコン初めてよう~、そのパソコン
に書いてあったんだよ、『USB』って」
ノブ「ぷぷっ、アニキ、それは『ユーエスビー』って
読むんですぜ。」
番長「そ、そうなのか?」
番長、イキナリ赤面である。
ノブ「それに、なんでイキナリパソコンなんて始めたんですか」
番長「お、俺だってたまにはコウシガクンがあらわれる事が
あらーな。」
ああ、番長、それを言うなら向学心だ。
ノブ「ホントかなあ…あ、そういえば学園のマドンナの今日子ちゃんが
『あ~あ、誰か私にパソコンを教えてくれないかな~』って言って
ましたね。』ひょっとしてアニキ、今日子ちゃんにパソコンを教えて
カッコいい所見せるために、必死にパソコン憶えようとしているんじゃ
ないですか~」
ノブオ君、ビンゴである。
番長「ウ、ウルセ~!コンニャロ~」
番長は軽く小突いたつもりだったが、番長のパンチは岩をも砕く。
ノブ「ぐはー」
哀れノブオは、全治2ヶ月の重傷である。
番長「ったくよ~、変な勘ぐりいれね~で、さっさと『USB』の事について
教えろよ~」
ノブ「その前に、病院行ってきていいですか、足下がふらついてるんですけど」
番長「なんだよ、堅えこというなよ~、病院なんていつでもいけるさー」
番長、それは違う、今行く必要があるのだ。
ノブ「はあはあ、仕方ない、『USB』というのは『ユニバーサル・
シリアル・バス』の略で、パソコンと周辺機器を接続する為の
規格なんスよ」
番長「なんだ、大阪のディズニーランドのことかよ」
番長、それはユニバーサル・スタジオ・ジャパンである。
ノブ「『USB』は本来、キーボードやマウス、プリンタ、ジョイパッドなんかと
パソコンとの間であまり大容量のデータをやりとりしない機器を接続
するための規格として登場したんです。規格名は『USB1.1』で、
最大転送速度は12Mbpsでした。登場した時の大きなウリは、
『ホットプラグ』という機能でパソコン本体の電源を入れ直すことなく、
最大127台の機器の周辺機器の接続、切断が可能で当時、
大変もてはやされたんスよ。」
ノブオ君、半死半生で解説を続ける君は立派だ。
番長「なんだあオメ~、また訳のわからんことばっかりぬかしやがって
コンニャロ~、三年殺し!」
番長のカンチョー攻撃が炸裂する、しかし番長の一撃は岩をも穿つ!
ノブ「あっきゃ~ふ!」
四つん這いの状態でうずくまるノブオ。もはや立てまい。
ノブ「あ、アニキ、話は最後まで聞いてください。いたた…
その後USBには『USB2.0』の規格が登場し、480Mbpsの高速伝送が
可能になったんですよ。これによって、今までライバルだった
IEEE1394の規格にも対抗できる様になったんです。今後パソコンへの
周辺機器の接続はUSB2.0とIEEE1394に集約していくと思われるんですよ」
番長「ノブオ!おめえの話はちっともわからねえ、つまりパソコンにぶっ挿せば
使える線があるってことなんだろ!そして、遅せえ奴と早ええ奴があって
早ええ奴には宿命のライバルがいるってワケだ、じゃあコイツと決着を
つけねえといけねえなあ。」
スゴイぞ!番長、ある意味正解かも。
番長「ようし!決闘だったら、誰にも負けねえ!早速IEEE1394とやらの所に
乗り込むぞ、ファイヤーワイヤー!」
ああ番長、キミは勘違いが甚だしい。
ノブ「アニキ!早まらねえで下さい!」
そこへ可憐な美少女が歩み寄る。
キョウコ「もう!番長君、またケンカなの?」
番長「あ・え・う・お・き、キョウコちゅわん、そんなことないよん
今から、パソコンをノブオに教えようとしていたのさ
キョ、キョ、キョウコちゅわんも一緒にどうだい!」
番長、一生分の勇気を総動員だ!
キョウコ「まあ!うれしい、じゃあ一緒に教えてもらおうかなノブオ君と、
ね?ノ~ブ君♪」
キョウコはノブオに熱愛中、ノブオは四つん這いで悶絶中である。
番長、怒気顔面に満ちた表情でノブオに近づく。
番長「ノブオ、USBの意味がわかったぜ…
U(うん)S(そうだ)B(ぶっとばす!)」
ノブ「おぎゃあふらゃ~!」