店員「いらっしゃいませ~」
お客「ええっと、ポテトのLサイズとコカコーラと…」
店員「ご一緒にポテトはいかがでしょうか?」
お客「イヤ、ポテト頼んだじゃん、ポテトにポテト付けてどうすんの」
店員「ただいま、コカコーラにペプシコーラを付けるセットがお安くなって
おりますが」
お客「だから!コーラ同士でモロかぶってるじゃん、頼まないよ
ポテトのLサイズとコカコーラとチキンナゲットをお願いします。」
店員「ご一緒にRAIDはいかがでしょうか?」
お客「はあ?」
店員「だ・か・ら、ご一緒にRAID(レイド)ディスクはいかがでしょうか」
お客「なにそれ?」
店員「ご説明いたしま~す。RAIDとは「Redundant Arrays of Inexpensive
Disks」の略で、複数のハードディスクを使って、全体を1台の大容量
ハードディスクのように利用する技術で~す。」
お客「で、なんでそれを僕に勧める訳ですか?」
店員「それは、複数のディスクを使用する事によって、ディスク障害に対する
耐久性を向上させることができるからで~す。1台よりも2台の方が
2台よりも3台の方が同時に壊れる確率が低いでしょ♪
あ、後、ディスクアクセスの分散化によるアクセス効率の向上によって、
データの読み書き速度を高速化もできる事がありま~す。」
お客「ココ、ハンバーガーショップでしょ?」
店員「そうでーす、RAIDのご注文ありがとうございま~す」
お客「コラ、頼んでないだろ!」
店員「RAIDの方、レベル0、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4
レベル5の6種類ございますが、どちらがお好みでございました
でしょうか?」
お客「どれも選はねえよ!さっきから来てれば奇天烈な発言ばかりしやがって
おい、ちょっと店長を呼べ!」
店員「店長の方、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズがございますが、
どちらがお好みでございますでしょうか?」
お客「店長選べるのかよ!」
店員「RAID1ですね、ありがとうございま~す。
レイドワンプリーズで~す」
お客「ゴルァ!まだ注文言って無いだろう」
奥の店員「レイドワン!サンキュー」
お客「奥の店員も調子を合わせるなあ!」
店員「ちなみにRAID1は、『ミラーリングタイプ』で、2つのディスク
に全く同じデータを書き込む事で、ハードディスクに障害が発生したときも
残った片方のディスクで何の問題もなく使用ができるという
耐障害性に優れたタイプで~す。」
お客「ああ、そう、そりゃよかったな、それで俺にどうしろと?」
店員「お客様は、RAID1の素晴らしさを十分にご堪能下さい」
お客「ご堪能できねえよ!」
店員「それは申し訳ありません、追加注文、RAID0プリーズで~す。」
お客「頼んでない~!お前はスーパー早とちり娘か!」
奥の店員「レイドゼロ!サンキュー」
お客「だから、奥の店員はノるなあ~!」
店員「RAID0は、データを複数のハードディスクに分散して
書き込むことで、ハードディスクへのアクセス速度を
大幅に向上させるんです♪せっかちなお客様にはぴったりな
タイプですね」
お客「うるさいよ!大体、店長はどうなったんだ?」
店員「え~っと、ただいま揚げておりますのであと3分少々お時間
頂けますか?」
お客「店長を油で揚げるなー!」
店員「店長とご一緒にRAID5はいかがですか?」、
お客「なぜ店長にオプションを付ける!」
店員「お客様♪RAID5は、複数のハードディスクにデータを分散して
書き込むことで速度性能を向上させた上に、データの信頼性を確保
するために障害復旧(パリティ)情報を全てのドライブに分散して
埋め込むから、イイトコ取りでとってもお得なんですよ」
お客「そんなことはだれも聞いていないだろ!」
奥の店員「レイドファイブ!サンキュー」
お客「ゴワア!奥の店員まで暴走するなあ!」
店員「お客様、知ってますか?RAID2はデータの誤りを検出・訂正するために
ハミングコードというエラー訂正コードを使っているんですけど
ハミングコードは無駄が多くて、コスト・性能の両面で
他のRAID方式に劣るため、実用性はないんですよ」
お客「だったらイチイチ紹介するなあ!」
店員「スミマセ~ン、でもRAID4はRAID0に、パリティ専用ディスク
を追加して耐障害性を高めたものなんですけどパリティ専用ディスク
にアクセスが集中するため、やっぱり実用性が無いんです。」
お客「頼む、俺の話を聞いてくれ、もうたくさんなんだよ」
店員「お客様、私の話も聞いて下さい。RAID3もパリティ専用ディスクを
使っているから、実用性が低く実際に使われる事はほとんどないんです
でもRAID4よりはちょっとだけ速いからOKですよね?」
お客「いいわけないだろ、もういい、帰る!」
店員「店内でお帰りになられますか、それともお持ち帰りですか」
お客「お前、自分で意味がわかって発言しているのかー!」
店員「大変お待たせ致しました♪店長のSサイズでございま~す」
店長「どうされました~」
お客「ちょっとまて、店長小っちぇえ!声が聞こえないんだけど」
店員「店長が言うには、RAIDはソフトウェアレベルで実現するものと
ハードウェアレベルで実現するものがあるそうで、ソフトウェア
製品としては、LinuxやWindowsXPのProfessionalが対応しております
ただし、ハードウェアレベルの対応の方がシステムに負荷がかからない
といってま~す」
お客「嘘つけ!絶対そんなこと言ってなかったぞ、それにちょっとまて
店長はドコにいった」
店員「お客様のあまりの鼻息の荒さに吹き飛んでいってしまいました~」
お客「アリかよ!店長ちっちゃすぎ~」
店員「お待たせいたしました、もっとも実用性が低いコンビRAID4と
RAID2のセットでございます。」
お客「だから頼んでない~!それに何故使えないコンビをチョイスするんだよ~」
店員「うふふ、RAID2、4は今日び、情報処理技術者試験にすら
出題されることはないですもんね、読者の皆様はRAID0,1,5
だけを覚えて帰って下さいね♪」
お客「コラ!読者の皆様ってだれの事だ!
イケね、俺、呆れて帰る所だったんだ、じゃーね、もう来ないから」
店員「お客様、お待ち下さい、お会計の方が12万円になります。」
お客「なんだ、その法外な料金は!なにも買ってないだろ!」
店員「スマイルの料金で~す」
お客「ぎゃ~!来るんじゃなかった」