サブ「親方~、弁当喰っていいッスかね~」
親方「バッキャロ~、さっき昼飯くったばっかりじゃねえか
オメエはどうしてそんなに食い意地がはってやがるんでえ」
サブ「じゃあ、親方喰っていいですかねえ」
親方「オメエはサメか!なんで俺っちを喰うんだよ!」
サブ「イヤ、親方ってどんな味がするのかな~って思って」
親方「ニンゲン味に決まってるじゃね~か、レモンの風味が
するとでも思ったか?」
サブ「え?親方はレモン味なんですか」
親方「ちが~う!バカなこと言ってねえで仕事だ仕事!」
サブ「つまんないなあ、そもそも親方~、俺たちってなにを作って
るんですか~?」
親方「アンテナだよ!携帯電話の中継アンテナ塔だ!」
サブ「へえ~、この一見、土を掘るような道具がアンテナかあ~」
親方「バッキャロ~それはアンテナじゃなくてスコップだよ!
アンテナはまだ完成してね~よ」
サブ「だいたい、携帯電話ってよくわかんないんですよね~
テレビでは、第三世代とかCDMAとか言ってるけど
オイラにはさっぱりわかりませんや」
親方「バカヤロウ、第三世代ってことは、前に第一世代と第二世代
があったってことだろうがよ」
サブ「ああ、そうか~、じゃあオイラの携帯は何世代なんですか」
親方「オメエの携帯はドコモの『P504iS』だろう、それじゃ
第二世代だな」
サブ「そもそも、世代が変わるとなにが違うんですか」
親方「通信方式が違うんだよ、主に違うのは、沢山のユーザが
同じエリアで同時に通話ができる様にする『多重化方式』
の違いだ。多重化方式が違えば、当然通信速度も違ってくる。
第一世代(1G)は、FDMA【周波数分割多元接続】方式
で、同一エリア内の各ユーザの使う周波数を微妙に変えることで
多数の利用者が同時に通信できる様にした方式だ。
FDMAは周波数帯域を無駄遣いする欠点があったが
第一世代の頃はまだ通話がアナログ形式だったからな
まあ、仕方なかったのさ」
サブ「よくわかんねえですが、一人一人の声が高かったり低かったりする
ことで判別してたって感じですか」
親方「おお、結構よくわかってるじゃねえか、さすがは俺の弟子だ」
サブ「てへっ、毎日青汁飲んでやすから」
親方「バカヤロウ、青汁は関係ねえだろう、
第二世代(2G)はデジタル技術の採用で大きく騒がれたな
現在の日本の携帯のシェアは、まだ二世代が多いはずだ
PHSも二世代に該当するしな。
二世代の多重化方式はTDMA【時分割多元接続】方式に
変わっているんだ、1つの周波数を短時間ずつ交代で
多数の利用者で共有する方式になったから
周波数の無駄遣いが少なくなったんだ。」
サブ「へええ~、アンタすげえや!
まるで親方みたいだ」
親方「バカヤロウ、俺が親方だろ!
第三世代(3G)はITU(国際電気通信連合)とかいう
お偉いさんどもが決めた「IMT-2000」標準とやらに
準拠したデジタル携帯電話のことさ、多重化方式では
オメエがさっき言ってた『CDMA【符号分割多重接続】』
ってえのが使われるようになったんだ。
CDMAってのは多数の利用者の音声信号や通信パケット
にそれぞれ異なる符号を付けて送る事で、周波数も時間も
分ける必要がなくなったっていう便利な方式さ。
サブ「よくわかんねえですが、一人一人の音声や通信パケットに
名札が付いてるって感じですかねえ」
親方「そうそう、そんな感じだ、おめえいいスジしてるなあ
さすがは俺の弟子だ」
サブ「親方、変な部分を見ないで下さいよ~」
親方「バカヤロウ、そっちのスジじゃねえよ!」
サブ「え?違うんですか?しかし、これからの携帯はもう
第三世代の時代になっていくんですねえ」
親方「そうだなあ、ちなみに日本の現状の話でいくと、
DoCoMoの第三世代方式は『W-CDMA』で製品が『FOMA』
AUの第三世代方式では『CDMA-2000』で製品が『CDMA 1X WIN』
ボーダフォンの第三世代方式では『W-CDMA』で製品が『VGS』
ってな感じになるなあ。」
サブ「あれっ、親方?そういえばAUって割と前から
『cdma-one』とかいう製品を出してませんでしたっけ?
アレは第三世代の携帯にはならねいんですかい?」
親方「う~ん、『cdma-one』については微妙な立場でな
『第2.5世代』という言い方をするんだ
第二世代の設備をそのまま利用して第三世代に近い
通信サービスを提供するっていう事で、厳密には
第三世代の携帯とはいえねえんだよ」
サブ「へえ、そうなんですか、親分なんだかんだ
言ってるウチに、アンテナできちゃいましたね。」
親方「オレっち達の手にかかれば、朝飯前よ!」
これで、この地域の携帯も『バリサン』だな!」
サブ「なんスか?ばりさんってのは?ダニ退治ッスか」
親方「バカヤロウ、そりゃバルサンだろうがよ!
携帯の液晶表示でアンテナ線が3本表示されて
電波の状態がとても良いってことだろうがよ~!」
サブ「すげえなあ、親方ってなんでも知ってるんでヤスね~」
親方「へっへ、まあな、この業界長いからな~」
サブ「じゃあ、もう一つ聞いていいですか、親方」
親方「オウ!なんでも聞きやがれってんだ」
サブ「宇宙って…どうやって誕生したんですか?」
親方「知るか!」