ハンゾウ
「ニンニン、サスケ殿、ご苦労さまでござる」
サスケ
「前置きはよい、して今日はなんのご用であるかな。」
ハンゾウ
「ニンニン、お館さまから、密命が下ったでござる!
我らに『秘密の電文を届けよ』との御達しである」
サスケ
「残業手当は付くのであろうな?」
ハンゾウ
「なんと!サスケどの!忍者として、残業手当の有無で動くという
動機は不純ではないか!」
サスケ
「うるさい!今時、忍者だってサラリーマンの一種なんだよ!
労働者の権利を求めてなにが悪い!」
ハンゾウ
「ニンニン、しかしでござるな~」
サスケ
「まず、その『ニンニン』という喋り方を何とかしろ!」
ハンゾウ
「ニンニン、しかしこれが拙者の専売特許でござるから…」
サスケ
「今も昔も、そんな口調で会話をしていた忍者なぞおらぬわ!
お前は某人気アニメの主人公か?」
ハンゾウ
「うむう、面目ない、以後気を付けるでござる。ニンニン」
サスケ
「言っているではないか!」
ハンゾウ
「あっ!今のは口が滑ったでござる。ニンニン」
サスケ
「もういい、貴様には何を言っても無駄な気がする…
本題に入るがいい」
ハンゾウ
「うむ、かたじけない。実はでござるな。今回受け取った
受け取った密書は、ワープロのデータで、今はこのパソコン
に保存されているでござる。このデータを何とかして、
お館さまの女性の知り合いの所へ届けて欲しい、しかし
中身は誰にもしられてはならんとの厳命が下っているので
ござる。ニンニン。」
サスケ
「要はお館様の個人的な恋文なんだろ!」
ハンゾウ
「しっ、サスケどの滅多な事を口に出してはならんでござる。
拙者、このデータをフロッピーディスクに保存し懐に入れて、
愛人殿の所まで、三日三晩走り抜いて届けようと思っているので
ござるよ、サスケもご同行願うでござる、ニンニン」
サスケ
「おいおい、ズバリ愛人殿って言うなよ、そもそも
そのような面倒くさい事は不要だ。ワープロのデータなら
インターネットを使ってメールに添付して送り付ければいいんだよ。」
ハンゾウ
「サスケどの、なんと言うことを、インターネットで経由して送ったら、どこの
だれにのぞき見されるかわかったものでは無いでござる、ニャンニャン」
サスケ
「なぜ、突然猫になる!言うんだったら「ニンニン」で初志貫徹しろ!
ああもう、イライラする。
だから、インターネットで経由で送る場合も『VPN』の忍術
を使用すればよいであろう」
ハンゾウ
「『VPN』?はて、拙者初めて聞く忍術でござるが…ニンニン」
サスケ
「『VPN』というのは、インターネットなどの公共のネットワーク網に
秘密の抜け穴を作って、秘密のデータのやり取りを行う忍術のことだ
正式名称を『バーチャル・プライベート・ネットワーク:仮想私設通信網』
という」
ハンゾウ
「なんと!そのような忍術があるのでござるか、ペンペン」
サスケ
「だから、なぜ突然ペンギンになるのだ!鬱陶しいやつめ。
公共のネットワーク網でも認証や暗号化などのセキュリティ技術を
利用することで、仮想的に、あたかも専用網であるかのように利用
する事が可能であるのだよ。これぞ忍術『VPN』の神髄!
ハンゾウどの、これからは忍者もハイテク
の時代なんだよ。」
ハンゾウ
「ぬぬう、拙者そのような怪しげな妖術は気色が悪くて使う気に
ならないでござる。ニンニン」
サスケ
「理解してしまえばなんて事はない。ざっくりと説明すると
VPNと言っても、色々種類があってな
・ネットワーク層のレベルでインターネット
IP網を使用する『IP-sec』
・ネットワーク層のレベルで独自の閉域IP網を使用する『IP-VAN』
・データリンク層のレベルでVPNを実現する『L2TP』
・ブラウザレベルでVPNを実現する『SSL-VPN』
などが代表的なVPN忍術の種類だ、
この中から、自分と相手の送受信形態に最も適したVPN忍術を
選択するんだ、そうして秘密の通路で『トンネリング化』した
データを誰にも見られない様に『暗号化』して、
通信を行うというカラクリだ、わかるか?」
ハンゾウ
「はにゃ~ひにゃ~へにゃ~ほにゃ~」
サスケ
「おいどうした!しっかりしろ!」
ハンゾウ
「拙者、勉強は昔から苦手でござる~」
サスケ
「お前は、ヘタレ忍者か!」
ハンゾウ
「サスケどの、拙者の脳みそはとろけてしまったでござる
後の事は宜しく頼んだでござる、ニンニン、ガクッ…」
サスケ
「くそう、究極忍法『死んだフリ』か、調子のいいやつめ!
しかたが無い、私一人で任務をこなすか、
今回は金をかけずにレイヤ2レベルでVPNが構築できる
大変便利なフリーソフトの『SoftEther』を使おう、
コイツはいま注目のVPN忍術だからな…」
1時間後
サスケ
「オイ、起きろ!ヘタレ忍者!」
ハンゾウ
「ふにゃ~、ニンニン、もう朝でござるか~?」
サスケ
「ふざけるな、任務は終わりだ、全部俺が一人でデータの通信まで
実行したのだよ」
ハンゾウ
「おお~、サスケどの、たいしたものでござるな、ニンニン」
サスケ
「早く、報酬をよこせ!今回は全額俺がもらっていく」
ハンゾウ
「それは出来ない相談でござるよ~」
サスケ
「なぜだ、お前は何もしてないだろう」
ハンゾウ
「報酬は全て拙者が株で使い込んでしまったでござる!
イヤイヤ面目ない、ニンニン」
サスケ
「貴様、謀ったな!許さん!」
ハンゾウ
「ここは逃げるが勝ち、さらばでござるニンニン、忍法『遁走の術』
って、あれ、あれ、体が動かないでござるよ?」
サスケ
「忍法『影縫い』…」
ハンゾウ
「イヤ~、助けて~ニンニン」
サスケ
「ダメだ」
ハンゾウ
「今度、素うどんをオゴるでござるよ」
サスケ
「往生際が悪い!それ以前に、あまりにもセコい!」
ハンゾウ
「ニンニン、カンニンでござる~」
サスケ
「そのニンニンが腹が立つ!」
ハンゾウ
「ニソニソ、カソニソでござる~」
サスケ
「お前は2ちゃんねらーか!」